僕、佐藤亮太は、ここ半年ほど肩こりと不眠に悩まされていた。整体やマッサージ、睡眠薬まで試したが、根本的な改善には至らない。そんなある日、同僚が「すごく効く病院がある」と教えてくれたのが、この「聖マリアンナお尻ペンペン総合病院」だった。
名前からして怪しい。だが、藁にもすがる思いで初診を受けたところ、医師から「あなたの肩こりと不眠は、お尻の血流が滞っていることが原因です。お尻ペンペン療法で改善します」と説明された。お尻ペンペン療法――すなわち、看護師の温かい平手でお尻を叩くことで血行を促進し、自然治癒力を高めるという、保険適用外の自由診療である。半信半疑だったが、三ヶ月通った結果、確かに体調は良くなっている。ただし、その代償として毎回泣き叫ぶほどの羞恥と痛みに耐えなければならないのだ。
今日は四週間ぶりの通院日。待合室には同じようにお尻ペンペン治療を受ける患者が数人、不安そうに座っている。子供から大人まで、みんな一様に神妙な顔だ。やがて診察室のドアが開き、白衣を着た若いナースが顔を出した。
「佐藤さーん、お待たせしました。今日もお尻ペンペンしていきますねー」
その柔らかな声に、僕は心臓が跳ねるのを感じた。早乙女さんというこのナースは、いつも笑顔で、まるで幼稚園の先生のようだ。年齢はおそらく二十五歳前後、ふんわりとした印象の美人で、白衣の下から覗く太ももが柔らかそうだ。僕は立ち上がり、彼女の後について診察室に入る。
